かつて投手から打者変更を行った元カージナルスのリック・アンキール氏(38)が、エンゼルスの大谷翔平投手が二刀流でメジャーリーグを沸かせていることを喜び、いい実験材料だと語った。MLB公式サイトが伝えている。

 1997年にドラフト2巡目でカージナルスに指名された当時、アンキール氏も二刀流の選手だった。しかしアンキール氏は投手を選択。当時のマイナーチームでは「ケガをされたら困る」と、二刀流を好ましく思わない監督もおり、投手を選択した方がメジャーへの近道だったという。

 アンキール氏はその後、2000年にカージナルスのナ・リーグ中地区制覇に貢献したが、ポストシーズンからストライクが入らなくなり、4年後にマウンドから離れることに。それでも07年に打者としてメジャー復帰を果たし、外野手として7シーズンを過ごした。

 ベーブ・ルース氏以外では唯一、メジャーで1シーズン30試合に先発し、別のシーズンに25本塁打を放った選手であるアンキール氏。しかし、当時の状況ではその両方を同一シーズンで行なうという選択肢はなかった。

 アンキール氏は二刀流の選手が投手か打者かを迫られた時代について「今では笑い話にしているよ。当時は珍しいことだったんだ。球団は選手たちにそういうことをさせたがらなかった」と語ると、球団側も選手の二刀流を解禁すべき時代が来たとし、そのことを「野球にとって最高に素晴らしいことだと思う」と話した。

 同氏は「警戒心に変化が生じつつある。そろそろそうすべきだ。(大谷が)二刀流も可能だと証明している。そのことに間違いはない。だた、12人中10人にそういう技術があるわけじゃない。そういう能力のある選手がいたら、彼らは間違いなく実験材料になる」と述べている。

 大谷はここまで、打者としては打率3割1分9厘、6本塁打。投手としては7試合に先発し、4勝1敗、防御率3・35と顕著な数字を残している。