ロイヤルズとマイナー契約を結んだ結城海斗投手(16)が8日、大阪府河南町で記者会見を行った。同じ羽曳野市出身のカブス・ダルビッシュ有投手に憧れる身長188センチ、最速144キロを誇る大型右腕。今年3月に中学を卒業し、多くの強豪校から誘いを受けたが進学せず、直接メジャー球団と契約した。契約年数は7年。8月上旬にも渡米し、夢舞台を目指す。

  ◇   ◇   ◇  

 16歳でメジャー球団と契約する選手はドミニカ共和国やベネズエラなど中南米出身がほとんどで、ハングリーな選手が多い。結城はその中でもまれることになる。メジャーの登録選手枠は30球団計750人だが、マイナーにはその10倍近くの選手がおり、ルーキーリーグから3Aまで5段階のレベルをはい上がり、ようやくメジャーにたどり着く。

 今年は国外FA選手の契約解禁から1週間で、すでに300人を超える選手がメジャー球団と契約した。これに加え6月のドラフトで高校生、大学生の米国内選手が1200人以上指名される。メジャーを目指してプロになる選手は今年だけでも1500人を超える。結城は球団のキャンプ施設で育成プログラムを受けた後、ルーキーリーグから厳しい競争が始まる。

 ただし、大谷のように億単位かそれに近い契約金を得る選手もおり、そうした期待の選手は大事に育てられる。また注目新人の1人であるベネズエラ出身のロナルド・アクーニャ外野手(20=ブレーブス)は14年に16歳でわずか10万ドル(約1100万円)の契約金で入団したが、4年でメジャーで活躍するまでになった。努力と球団の育成次第で、そこまで成功する例もある。【水次祥子】