引退表明から一夜明けたマリナーズ・イチロー外野手(45)が22日、成田空港発の航空機で渡米した。前夜に日米通算28年目でユニホームを脱ぐことを表明すると、日本政府が国民栄誉賞授与を検討するなど、日本全国がイチローの打ち立ててきた数々の偉業にあらためて感服した。深夜に行われた1時間23分にも及んだ会見で、野球の将来を託したのはエンゼルス大谷翔平投手(24)。初めてポスティング移籍し、日本人野手の評価を一気に高めた大リーグの先駆者は「世界一の選手にならないといけない」と、二刀流に挑む後輩へパイオニア魂を託した。

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大谷が「イチロー道」を歩む。引退を米アリゾナ州のキャンプ地で早朝に知った。「目標になるような存在。それはこれからも変わらない。プレーする姿は見られないけど、昔から見てきた、選手像というのを目標にしてやっていく」とあらためて心に刻んだ。

昨年は新人王を獲得。二刀流で結果が残せるのか周囲の懐疑的な見方を一掃した。投手の最高栄誉であるサイ・ヤング賞を獲得し、翌年は打者専念で本塁打王。常識を覆す可能性が大谷にはある。だから夢も膨らむ。

直接対決はかなわぬまま終わった。だが、野球道は受け継がれる。昨年のキャンプでは、イチローから助言を受けている。「(プレーを)見るだけでも勉強になるんですけど、実際に教えていただいてすごく勉強になった」。恩返しは今後のプレーで。イチ流の心得を、二刀流で実践する。