【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)16日(日本時間17日)=斎藤庸裕】ドジャース前田健太投手(31)が今季3勝目を挙げ、メジャー4年目で通算40勝に達した。

レッズ戦に先発し、6回2/3を投げ4安打1失点。変幻自在に持ち球を操り、レ軍打線を翻弄(ほんろう)した。通算40勝以上は日本人メジャーリーガーでは9人目。ワールドシリーズに2年連続で出場している強豪球団で培った経験と知恵で、コツコツと勝ち星を積み重ねた。

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マウンドから降りた前田は、拍手喝采で迎えられた。一塁側スタンドはスタンディングオベーション。節目の勝利を祝うかのように、球場が沸いた。メジャー通算40勝。メジャーでも伝統ある強豪球団で一線を張り続け、「チームのおかげでたくさん勝たせてもらっている。そういう意味ですごくありがたい」。仲間に感謝した上で「40勝というのは積み上げるのは大変。自信になる数字」と胸を張った。

歯を食いしばり、腕を振る。懸命に投げる姿にも、どっしりとした雰囲気がある。不安を漂わせない安定感の源について「別に安定感ないですけど」と苦笑いでかわしたが、「一番大事なのは、自分の状態が悪いときにどうやって抑えるか。頭を使って。それが、ピッチャーの醍醐味(だいごみ)」と明かした。マウンドで冷静に、慌てない。だから、柔軟に対応できる。

変幻自在。この日も宝刀スライダー、新たな決め球のチェンジアップを散らし、打者の的を外した。変化球主体かと思えば一転、直球勝負でもいける。元チームメートだった4番プイグには力勝負。「抑えるため」と多くは明かさなかったが、13球中11球が直球で、3打数無安打1三振。真っすぐでねじ伏せた。相手の傾向を冷静に見定め、スタイルを変えられる。「変化球が頭にある中、直球で抑えられたというのは良かった」と満足そうに振り返った。

メジャー4年目。過去3年で中継ぎへの配置転換も味わった。「生き残るのが大変。このチームは特に」。30球団の中でも投手王国のド軍で経験を積み重ね、レベルアップへの糧とした。「いろいろ選択肢があるというのが、僕の中で自信になっている部分」と、打者を打ち取る知恵も得た。通算40勝には到達したが、「もっともっと積み上げていきたい」。前田のメジャーでのキャリアはまだまだ続く。

▽レ軍ベル監督(前田について)「緩急を操り、高めの直球を有効的に使っていた。打者が仕事をさせてもらえなかった」