【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】 ドジャース前田健太投手(31)が、ヤンキース田中将大投手(30)とのワールドシリーズ同世代対決に期待を膨らませた。

ロッキーズ戦の7回から2番手で登板し、1イニングを無安打無失点。中継ぎとしてフル回転が期待されるプレーオフへ、安定感ある投球を見せた。ド軍とヤ軍がともにプレーオフで勝ち上がれば、ワールドシリーズで対戦が実現。マエケンVSマー君が最高峰の舞台で激突する。

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前田はヤンキース田中の話題を振られると、表情を緩めた。「将大(田中)とワールドシリーズで戦えたら、それはベストだと思いますし、そうなれるように、勝てるように努力したい」。日本時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた黄金世代、88年生まれ同士の頂上決戦へ、うれしそうに声を弾ませた。

ナ・リーグ西地区7連覇を果たしたドジャースと、7年ぶりのア・リーグ東地区優勝を決めたヤンキース。伝統ある名門チーム同士の対決を実現させるためには、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズをともに勝ち上がる必要がある。17、18年に続きシーズン終盤で先発から中継ぎへ配置転換されたが、ド軍の3年連続ワールドシリーズ進出へ前田にかかる期待度は高い。「場面によってその役割をしっかり果たせるように、とにかく抑えるだけ」と冷静に先を見据えた。

勝ち試合でのセットアッパーを任され、この日のロッキーズ戦も7回に2番手で登板。1イニングを無安打無失点に抑えながら「狙ったところから外れるボールも多かった。もう少し感覚をつかんでいかないといけない」と課題を口にした。13球のうち、逆球だったのはわずか2球。それでも「1人目も(カウントを)3-2にして、2人目も四球だったので。ちゃんといったボールは少なかった」と厳しく自己評価した。

プレーオフでは過去2年、中継ぎで好成績を残したが、失投の1球に泣いた経験もある。だからこそ、先を見据えて「今からちょっと気持ち作らないとと思って(マウンドに)上がった」と“ポストシーズン仕様”でこの日の登板に臨んだ。先発を続けていたこともあり、「1イニング目から100%の力を出すのは難しいこと。それをしっかりできるように、やっていかないといけない」。残り8試合、「マエケンVSマー君」のワールドシリーズ実現へ、隙は見せない。