【アナハイム(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=斎藤庸裕】名将と二刀流が、長年の時を経て交わる。

エンゼルスのジョー・マドン新監督(65)がエンゼルスタジアムで就任会見を行い、チーム再建へ意気込みを語った。「自分たちの文化、戦い方を確立しないといけない。エンゼルスとしての試合を戦っていきたい」と、ジェスチャーを交えて熱弁した。

メジャーでも屈指の個性派監督。レイズでは08年に初のワールドシリーズ進出、カブスでは16年に108年ぶりに世界一に導いた。内外野を守れるユーティリティープレーヤーを重用し、極端なシフトを敷いた守備陣形など、斬新な戦略を取り入れてきた。データを駆使しながら、野球を「アート(芸術)だ」とも説く。「どちらかに偏ってはいけない。バランスが重要」と独自の野球論を展開した。

来季、二刀流復帰を目指す大谷翔平投手の起用法もチーム浮上の鍵となる。同監督はエンゼルスのマイナー組織でコーチをしていた92年、左腕投手の二刀流起用を提案。約30年前に描いた思いはかなわなかったが、大谷について「彼は二刀流選手。何でもできる能力がある」と大きな期待を寄せた。一方で、具体的な起用プランについては「これから分かるよ」と多くは語らなかった。

大谷は9月中旬に手術した左膝のリハビリを進めており、この日、キャッチボールで調整。その後、同監督の就任会見に出席し、最前列で質疑応答も合わせて約40分の“演説”に耳を傾けた。独特の感性を持つ新監督と、メジャーで二刀流を貫く大谷。個性派同士の化学反応がどう働くか、来季の注目となる。