DeNAから米大リーグのレイズ移籍が決まった筒香嘉智外野手(28)が22日、米国から帰国した。ウインターミーティングに備え6日に渡米。複数球団からのオファーから、2年総額1200万ドル(約13億2000万円)でレイズ入りを決断した。17日(日本時間18日)に入団会見を終え、現地で来季に向けた住居などの準備を大方整えて帰国。新人としてメジャーに挑戦する決意を示した。

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ビシッと刈り上げたアーミーカットでさっそうと成田空港に降り立った。帰国した筒香は「ロスで1回、会見後にタンパで1回。日本の方が丁寧でした」と散髪を済ませ、すっきりした表情で報道陣の前に現れた。真っ白のシャツの襟を正すように謙虚な姿勢を強調。「まだ、メジャーで1秒もプレーをしていませんし、まだ何もやっていない。とにかく必死にやるだけです」と目を輝かせた。

少年時代からの夢は、現実の舞台までたどり着いた。6日に若干の不安を封じ込めて渡米してから約2週間。交渉は順調を極めた。納得の契約を勝ち取り「想像していたよりも早く決まった。ワッサーマンをはじめ(代理人の)ジョエル、日本のマネジメントをやっていただいている方、携わってくれた方、全てに感謝の気持ちでいっぱいです」と思いを込めた。

09年ドラフト1位で横浜(現DeNA)から指名を受け、横浜高からプロ入りした。メジャーリーガーになり、10年前と重ね合わせ「ルーキーとして。いろんな覚悟、強い気持ちは一番大事。まだメジャーリーガーになったというより、そっちの方が強い」。続けて「うれしいとか、軽い気持ちはない」とも言った。

来季からフロリダ州タンパが主戦場となる。「すごく静かできれいなところ。問題ないかなと」と環境は好感触。ア・リーグ東地区はヤンキース、レッドソックスと強豪がひしめく。レイズの年俸の総額がヤンキースの2選手分とも言われる。左翼に加え、一塁、三塁、指名打者と役割は流動的になる。「可能性があるポジションに関しては準備しないといけない」と筒香。メジャー舞台に「Yoshi」が乗り込む。【為田聡史】