敏腕代理人のスコット・ボラス氏(67)が、米大リーグ機構(MLB)による報酬削減案を受け入れないよう選手側に勧めていると28日、AP通信が報じた。

記事によれば、ボラス氏は代理人を務める選手たちに対して、3月26日に合意した最初の報酬案(試合数に応じた日割りの給与)の方針を変えるべきではないと伝えたという。

また、AP通信が入手したEメールによると、ボラス氏は「選手なしで試合はできない、ということを忘れないように。さらなる報酬カットを受け入れるべきではない」などと選手へ提言したようだ。

MLBは5月26日に選手会と報酬案について協議。高年俸の選手が大幅減となり、低年俸の選手は減額割合が少なくなるという段階別の減額システムを提示した。3月下旬に合意していた日割りの給与からさらに減俸となるプランのため、選手会は難色を示していた。

ボラス氏は球団オーナーたちが球団を買収し、スタジアムを改修するなど多額の投資でローンを抱えていることも指摘。「オーナーたちは選手の報酬をカットすることで、ローン支払いを手助けしてほしいと思っている」と持論を明かした上で、「選手は彼らに対してフランチャイズの買収を勧めたわけでもないし、選手は強気でいるべき。選手たちは得られた収益から利益を得ていない」などと主張した。

27日にはボラス氏が代理人を務めるナショナルズの右腕マックス・シャーザー投手(35)がツイッターで、MLBの報酬削減案に対して強硬姿勢を示していた。