【オークランド(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャーデビューを飾った歴史的な地で、今度はメジャーの歴史を刻んだ。

MLBは今シーズン、延長戦で初のタイブレークを導入。アスレチックスとエ軍の開幕戦が初の延長戦に突入した。9回2死満塁で空振り三振を喫し、イニング最後の打者だった大谷が10回無死の二塁走者となるが、気付かなかったのか、ベンチで慌てて準備。上着を脱ぎ、二塁へ向かった。

その後、左打者ウォルシュの一塁ゴロで三塁進塁を狙った。好スタートを切ったが、一塁手オルソンの三塁への素早い送球に阻まれ、挟殺プレーでタッチアウト。マドン監督は「オルソンのいいプレーだった」と相手に脱帽だった。この回は結局、無得点。10回裏、今度は打者オルソンに満塁弾を浴び、エ軍はサヨナラ負け。歴史的な試合は劇的な展開で幕を閉じた。

大谷は打撃では5打数1安打。第1打席でバットを折りながら中前へ。メジャー1年目の18年3月29日以来となる開幕戦での初打席初安打を放った。これが日本ハム時代の296安打を含め、日米通算500安打となった。第4打席は左腕ディークマンの94マイル(約154キロ)の直球を捉え、左方向へ打ち返した。惜しくも本塁打とはならなかったが、持ち味の逆方向への力強い打球で、フェンス手前まで運んだ。

初戦黒星も、今季初安打で打者で幸先のいいスタートを切った。弾みをつけ、26日のメジャー復帰マウンドに臨む。開幕前「うまくいかないこともたくさん出てくると思いますけど、その中でも勝ちにつながるようなピッチングをしたい」と話した大谷。異例の60試合シーズンで二刀流が復活する。待ちに待った瞬間が、いよいよやってくる。

▼大谷が今季初打席で安打。シーズン初打席での安打は日本ハム時代の5年間(13~17年)で1度もなく、大リーグデビューの18年3月29日アスレチックス戦で右前打を放って以来、日米を通じて2度目。