<ジャイアンツ10-5エンゼルス>◇20日(日本時間21日)◇オラクルパーク

エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャーワーストの16打席連続ノーヒットと不振にあえいでいる。「5番DH」で出場したジャイアンツ戦で2三振を含む5打数無安打。ストライクの甘い球は捉えきれず、ボールゾーンに外れる誘い球に手を出す場面が目立つ。現状をデータとメンタルの両面から分析した。

<1>打球方向 逆方向の割合が極端に減少した。左方向への力強い打球が持ち味で、昨年は全体の31・7%を占めていたが、今季は18・2%。右方向への引っ張り傾向が強い上に、打球が上がらない。14日のドジャース戦から22度の凡退のうち15個がゴロで、13個が一、二塁間への当たり。空振り率も昨年の13・5%から16・8%に上昇した。マドン監督はボールに対してスイングのタイミングが早いことを指摘している。

<2>責任感ゆえの葛藤 今季は二刀流で開幕したが、右腕の故障で再び打者専念となった。開幕前「優勝すること」を目標に掲げていた中で投手を断念し、打者でも苦しんでいる。リード打撃コーチは19日「彼はできるだけ早くベストの状態にしたいと思っている」と話した。チームは8勝18敗と低迷。大谷自身、打線の中軸として貢献できていないもどかしさがあると同時に、一刻も早い不振脱出を求め、もがいている。

昨年は8月末から9月上旬にかけて15打席無安打も、ポテンヒットから復調した。紙一重のタイミングで感覚が一気に戻ることもある。きっかけをつかむまで、辛抱が続く。(サンフランシスコ=斎藤庸裕)