マーリンズは13日(日本時間14日)、キム・アング氏(51)が新GMに就任したことを発表した。アング氏はMLBだけでなく、北米の男性プロスポーツ史上初の女性GMとなった。

アジア系米国人の同氏は、高校時代やシカゴ大学でソフトボールの名内野手としてプレー。卒業後、ホワイトソックスでインターンとして働き始め、その後、1998年からヤンキース、2001年からドジャースでGM補佐を務めた。その後、ドジャースやマリナーズなど複数球団のGM候補として面接を経験。2011年からMLB機構の副社長を務めていた。

今回の就任に伴い、ロブ・マンフレッド・コミッショナーはコメントを発表。「MLB全体が、キムがマーリンズで得た機会にわくわくしています。キムの就任は、すべてのプロスポーツ界の歴史をつくり、野球やソフトボールを愛する多くの女性や少女に対して、意義深い前例となるだろう」。歴史的な出来事でもあり、一球団のGM就任に関しては異例とも言える声明を発表した。

また、アング氏とはヤンキース時代から交流があり、マーリンズの最高経営責任者を務めるデレク・ジーター氏は、「キムが豊かな知識とチャンピオンシップレベルの経験を取り入れてくれることを楽しみにしている」とのコメントを発表した。

アング氏は球団を通して「インターンとしてメジャーリーグに入りました。その数十年後、GMとしてマイアミ・マーリンズをリードすることになったことは、私の経歴として名誉なことです」と、現在の心境を明かした。さらに、「この挑戦は決して軽いものではありません。このビジネスに入った当時、女性がメジャーリーグ球団をリードすることはありえないことのようでした。ただ、今の私の目標はマイアミにチャンピオンシップをもたらすことです」と、フロント首脳としての意欲を示した。

米国では、11月上旬の大統領選の結果により、カマラ・ハリス氏(56)が女性初の副大統領に就任することが確実となっており、野球界でも女性の活躍が注目を集めることになった。