エンゼルス大谷翔平投手(26)が二刀流の再復帰へ向け、メジャー4年目のキャンプに臨む。米アリゾナ州テンピで17日(日本時間18日)にバッテリー組のキャンプを迎える。昨季は7月下旬の開幕から投打でスタートしながら、右前腕の故障で8月上旬から打者に専念。今季再び二刀流で復活をかける。キャンプイン前日の集合日に大谷と対面したマドン監督は、21年バージョンの起用法を明かした。

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キャンプイン前日、大谷はカジュアルな服装にマスクを着用し、球団のマイナー施設を訪れた。あいさつを交わしたマドン監督は「自信を持っているように見えた」と話し、「正しい方向に進んでいるなら(チームにとって)非常に大きなプラスだ」と、二刀流での活躍に期待を込めた。

型にはめず、羽ばたかせる。「週に1度だけ登板し、ある日は指名打者で出るだけ。私はその考えを切り離している」。メジャー1年目は基本的に週に1度の先発。登板前後は欠場し、週に4度、DHで出場するスケジュールだった。球数が少なかった事情もあるが、マドン監督は昨季、大谷を登板翌日に打者で出場させるなど、柔軟に起用。外野の練習もさせた。

二刀流の利点を最大限に引き出す一方で、投手優先の方針も示した。昨季は右肘の手術から約1年10カ月ぶりに復帰登板も、2試合で右前腕を故障。それでも同監督は「投手として最初に準備する必要がある。その次に打者。それがベスト」と話し、投手大谷の状態次第で野手起用の頻度を決めていく考えだ。ここまでの調整についても「投球動作も非常にいいし、練習で出す(球速の)数字としては難しい95マイル(約153キロ)以上を彼は見せていた」と期待を膨らませた。

メジャーで二刀流旋風を巻き起こした18年の開幕から3年。度重なる故障に泣いた。「彼にはフルシーズン(戦うこと)が必要。過度な制限なしに、ただただ野球をプレーすればいい。彼はアスリートで、チャンスを与えれば最も素晴らしい選手の1人になれる」。21年バージョンの二刀流大谷がスタートを切る。【斎藤庸裕】

▽マドン監督は新戦力の救援陣にも期待を寄せた。昨年12月、レッズから守護神候補のイグレシアスを獲得。19年に34セーブを挙げるなど通算106セーブの右腕を「素晴らしい素材」と高く評価した。また、ブルワーズから中継ぎの変則左腕クラウディオも加入。「どこで使うか楽しみにしている。我々は(今オフの補強で)非常にいい仕事をした」とうなずいた。