エンゼルスの「2番」大谷翔平投手(26)が、メジャー初の2戦連続3安打を放ち、打撃絶好調をキープした。13日(日本時間14日)のロイヤルズ戦に「2番DH」で出場し、4号ソロを含む5打数3安打1打点。第1打席では内野安打で自慢の俊足も魅せた。開幕11試合のうち10試合に「2番」で出場し、打率3割6分4厘。長打あり、足もあり、マドン監督が期待する理想の2番として結果で応えている。

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“万能2番打者”の大谷が、自慢のパワー&スピードを発揮した。5回に左腕ダフィーのスライダーを捉え、右中間席へ今季4号ソロ。飛距離131メートル、打った瞬間に本塁打と分かる豪快な一撃を放った。安定した打撃に、マドン監督は「非常に大きな自信を持って臨んでいる。彼は自分のやるべきことを全てやっていて、その成果が表れている」と絶賛した。

長打力だけでなく出塁力もある。打線上位の2番に固定する指揮官の意図は、打撃力の高い大谷の打席をできる限り増やすことにある。「トラウトの前に2人走者を置きたい」と、1番フレッチャー、2番大谷のコンビでチャンスを広げ、3番の強打者トラウトで一気に得点する理想を描く。その一方で、小技で1点を取りにいく野球も好み、走塁も重視。出塁率が高く、俊足で盗塁技術もチームトップレベルの大谷は2番打者適任と言える。

この日も第1打席、打ち取られたと思われた二遊間へのゴロに全力疾走。ビデオ判定に持ち込まれたきわどいタイミングで、内野安打とした。スプリントスピードは秒速29・5フィート(約8・99メートル)。“俊足エリート”と呼ばれる30フィート(約9・14メートル)に限りなく近い速さで、安打をもぎとった。

前日12日、4番打者のレンドンが負傷者リスト入りして離脱。その中で、大谷が上位で打線をけん引する。長打率(7割9分5厘)+出塁率(3割9分1厘)で、OPSは1・187。メジャー屈指の強打者とされる1・0を超え、さらに足もエリートクラス。脅威の2番として、ア・リーグ西地区首位のチームに君臨している。

◆メジャーの2番打者 MLBでも2番打者はかつて「2番目に俊足で器用な打者」が主流だったが、データ時代に入り「長打力のあるオールラウンド打者」が座る打順へと変わってきた。これは2番打者が3、4番打者より年間40~50打席多く回ることがデータで判明したことが関係しており、各チームが最も優れた打者を2番に置くようになった。近年ではエンゼルスのトラウト、ヤンキースのジャッジ、レッドソックス時代のベッツ(現ドジャース)、ブルワーズのイエリチら、メジャーを代表する強打者やMVPクラスの選手が2番を打っている。

大谷4号ソロ含む3安打、日米通算100号王手/ロイヤルズ戦詳細はこちら―>