パドレスのダルビッシュ有投手(34)が23日(日本時間24日)、敵地ドジャース戦に先発。7回4安打1失点9奪三振と好投し、今季2勝目(1敗)、古巣ド軍から初勝利を挙げた。サイ・ヤング賞3回の左腕クレイトン・カーショー投手(33)と中5日で再対決。前回17日(同18日)の初対決では、7回1失点9奪三振と快投しながら今季初黒星を喫したが、カーショーとの投げ合いで日本人7度目の挑戦にして初めて白星を手にした。

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マウンド上でほえる姿に、ダルビッシュの気概がにじみ出ていた。3-1と2点リードで迎えた6回、3番ターナーからの好打順を3者連続三振。アウトを取るたびに雄たけびを挙げ、7回の3アウト目を奪った際には、跳びはねて拳を握った。

「フォームがちょっと崩れて、制球も良くなかったので集中して投げるようにしました」。試合後、冷静に話したように、本調子でなかった。それでも、連打を許さず、要所を締め、古巣から通算3試合目で初勝利を挙げた。

同じテキサス州ダラスに自宅を持ち、オフ期間には合同トレを行う盟友カーショーとの再対決。前回の敗戦後「頭を使って投げたい」と話していた通りだった。初回に1点を先制されたが、2回に同点に追い付いたことで、ギアが上がった。中盤以降、今季は多投していなかった140キロ台後半の高速カットボールを効果的にちりばめ、前回とは異なる配球にアレンジした。「変化球の中で緩急を付けるようにした。(高速カットボールは)いいアクセントになったと思います」。3番ターナーがバットを出せず、2打席連続見逃し三振に仕留めた駆け引きこそ、ダルビッシュの成熟度の証明だった。

パ軍が連勝したとはいえ、首位ド軍とは依然として「3差」。9月末までに4カードが残されており、最強左腕とは直接対決の可能性が残されている。「尊敬していますし、カーショーに投げ勝ったというより、同じフィールドでプレーできるのがうれしいです」。エース対決を制しても、ダルビッシュは名勝負の余韻に浸ってはいなかった。

 

以下は日本人投手VSカーショー。△は勝敗なし、()内はカーショー内容。

 

▼ブレーブス川上憲伸<1> 2009年8月8日、7回4安打無失点で△(7回2安打無失点で△)

▼ブレーブス川上<2> 2010年6月4日、6回3分の1を9安打5失点で●(6回3分の2を5安打4失点で△)

▼ヤンキース黒田博樹 2013年7月31日、7回5安打無失点で△(8回5安打無失点で△)

▼カブス和田毅 2015年6月22日、2回3分の0を2安打1失点で△(7回4安打3失点で●)

▼マリナーズ菊池雄星 2020年8月20日、4回3分の2を4安打5失点で●(7回4安打1失点で○)

▼パドレス・ダルビッシュ 2021年4月17日、7回1安打1失点で●(6回2安打無失点で○)