メジャー21年目のレジェンド、エンゼルスのアルバート・プホルス内野手(41)が6日(日本時間7日)、メジャー40人枠から外れ、球界に衝撃が走った。

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近い将来、殿堂入りが確実視されるレジェンドに対しシーズン序盤で戦力外通告することは、ビジネスライクなメジャーでも珍しい。確かに、衝撃的な一報だったかもしれない。だが米国のファンが、エ軍の措置に対し「非情」と受け取ることは、おそらく少ないのではないだろうか。

通算3000安打、600本塁打など数々の偉業を遂げてきたとはいえ、今季のプホルスのパフォーマンスは、年俸に合致しているとは言えなかった。DH大谷や一塁ウォルシュが打線に不可欠な主軸に成長。チームの精神的なリーダーとしての存在感がある一方で首脳陣が毎試合前、スタメン表にプホルスの名前を書き込む際に迷いが生じても不思議ではない。今のエ軍にポストシーズンを勝ち抜ける戦力は、実際問題整っていない。若手の登用を含めたチーム再建を優先し、この序盤でかじを切った。ベンチウォーマーに甘んじたくない本人の意向もくみ、他球団でのプレー機会を考慮したエ軍の判断は、ある意味で「敬意」の表れと言い換えてもいい。

かつてはイチロー、松井秀喜らも、若手の台頭に伴い、定位置が危うくなりプレー機会が減少。結果、複数球団に籍を移した。実力の世界だけに「世代交代」は世の常。今をときめく大谷でさえ、おそらく十数年後には同じような立場になる。偉大な選手への敬意を忘れることなく、時代の推移は受け入れるしかない。【MLB担当=四竈衛】