レイズは11日(日本時間12日)、筒香嘉智外野手(29)をメジャー登録枠から外し、戦力外としたことを発表した。

◆記者の目 今季の成績からも、筒香の戦力外通告は避けて通れなかった。開幕直後から「1番一塁」として期待されたが、結果は残せなかった。そこから深みにはまった。

開幕前、1番について「好きでも嫌いではない」と苦笑しながら言った。試合開始直後に、ほぼ初対戦の投手と対する1番の心構えとして、「迷った状態で打席に入らないようにしたい」とも言った。だが、どっしりと構えて好球を待つ筒香に、この打順はフィットしなかった。その後、打順が下位になった際には「考え過ぎた部分があった。自分の中で崩れてしまった」と素直に振り返った。

左投手との対戦減少もマイナスに作用した。DeNA時代から左を苦にしないどころか、得意にしてきたが、レイズは相手投手によって、毎日細かく打線を変えるため、左腕相手にはベンチスタートが続いた。実際、昨季も右腕相手の打率1割8分3厘に対し、左腕は2割4分3厘。左腕との対戦でフォームを再チェックしたり、上昇気配をつかむことが多かっただけに、本来の好感覚を取り戻すキッカケも失った。

今後、筒香が移籍や国内復帰を含め、どんな選択をするかは分からない。ただ、DeNA時代から豊富な練習量で技術を磨き、豪快なアーチを量産。侍ジャパンの4番を任されるまで成長した。まだ29歳。コロナ禍の行動規制が緩和され、常に納得いくまで打ち込める環境に身を置けば、必ずメジャーの舞台で花開くに違いない。【MLB担当=四竈衛】