レイズから事実上の戦力外となっていた筒香嘉智外野手(29)が15日、昨季世界一に輝いたドジャースへのトレード移籍が決まった。今季は負傷者が続出し、現在ナ・リーグ西地区3位に甘んじる。エンゼルスからFAとなった通算667本塁打のアルバート・プホルス内野手(41)とも契約合意に達し、慌ただしく戦力補強に動いた。

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電撃的なトレード発表だった。今季は苦戦する昨季覇者が、2人のスラッガーに救世主を求めた。プホルス獲得の一報が流れた数時間後、筒香獲得で二重の驚きになった。

11日にレイズの40人枠を外れた筒香は、ウエーバー手続きの最中だった。タンパベイ・タイムズ紙のマーク・トプキンス記者によると、筒香の今季残り年俸549万4624ドル(約6億400万円)のうちの大部分をレ軍が負担し、ド軍はメジャー最低年俸43万ドル(約4730万円)より若干上乗せした額を負担することで合意したという。筒香を40人枠に入れるため、肩を痛め負傷者リスト(IL)入りしているリオスを60日間ILに移行させ、素早く受け入れ態勢も整えた。

ド軍は左ふくらはぎ痛のベリンジャー外野手ら主力を含む負傷者が絶えない。米メディアによると複数ポジションをこなせる「ベテランのロール・プレーヤー」を探していたという。一、三塁、左翼を守れる筒香がニーズに合致した。

同日に獲得合意したプホルスも一、三塁と左翼の経験はあるものの、外野は03年を最後に守っておらず、三塁も昨季と今季で計2イニングのみ。殿堂入り確実のレジェンドが起用機会を争うライバルになりそうだが、使い勝手の良さでは筒香が上回っており、あとは結果を出すだけ。ド軍にはターナーやテーラーら移籍後に打撃を劇的に向上させた選手がおり、筒香も連覇のために一肌脱ぐ。

◆ドジャースのチーム状況 野手の負傷者が続出し、選手層が手薄に。主砲ベリンジャーは4月5日、ユーティリティーのマッキンストリーは同20日の出場を最後に離脱。控え一塁手リオスは右肩手術で今季絶望、左翼手ポラックは左太もも裏の張りで数週間離脱。さらに遊撃手シーガーがこの日のマーリンズ戦で右手を骨折した。代役はユーティリティーの中堅テイラーと二塁手ラックスが務める見込みだ。

筒香が今季プレーした一塁にはマンシー、三塁にはターナーの主力がいるが、控えのノイジーやピーターズ、レイリーら若手は不振。また、打線は左腕相手に今季打率2割1分7厘とメジャー平均を下回る。プホルスは今季対左で打率2割5分9厘、OPS8割7分8厘と好成績、筒香も対左はメジャー通算で打率2割2分9厘(対右は1割7分6厘)を記録。