【ボストン(米マサチューセッツ州)16日(日本時間17日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、土壇場で勝負強さを発揮した。今季初の「3番」DHで出場したレッドソックス戦は1点を追う9回、2死一塁から逆転2ラン。9回以降ではメジャー初の決勝弾を放った。両リーグトップに並ぶ12号は、剛腕守護神バーンズの156キロ内角直球を打ち砕く起死回生の1発。連敗を4で止め、メジャー最古の球場フェンウェイパークでの「聖地巡礼」を3戦連続ヒットの計2発3打点で終えた。

大谷はバーンズの初球、96・7マイル(約156キロ)の内角直球を右翼ポール際に運んだ。「自分で(打球を)見ていたので、切れないで欲しい、残って欲しいなというだけでしたね」。打球速度は今季最も遅い96・6マイル(約155・5キロ)だったが、角度良く上がり、右翼スタンドまで届いた。今季初の2番トラウト、3番大谷の打順も、ともに4打席目まで無安打。9回に機能し、逆転劇を生んだ。

エ軍にとっては重苦しい展開だった。2回に4点先制。先発のキンタナが5回途中2失点で降板。ところが、2番手のスレガーズが2番ディバースに逆転3ランを浴びた。その後はレ軍の継投で抑え込まれたが、守護神を打ち崩した。マドン監督は「非常に大きい。(ベンチの雰囲気は)爆発した火山のような、なんというか、素晴らしかった」と逆転勝ちに目を細めた。