【アナハイム(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、長打数と塁打数でメジャートップに立った。アスレチックス戦に「2番DH」で出場し、第3打席で二塁打、第4打席で適時三塁打を放った。長打数28と塁打数104は両リーグ1位に浮上。今季13度目のマルチ安打をマークしたが、チームは完敗し、3連敗で借金は今季最多8に膨らんだ。また、大谷は28日(同29日)アスレチックス戦に中8日で先発する見込みとなった。

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俊足の大谷だからこそ、単打の当たりが長打となる。6回2死、右腕バジットの93・6マイル(約151キロ)の内角球を二遊間へ運んだ。詰まった当たりは右中間へ抜け、10打席ぶりのヒット。一塁ベースを回ると、右翼手の緩慢な守備を見てギアを一気に上げた。二塁までの到達タイム7秒84はメジャーで自己最速。足を生かして右前打を二塁打にした。

第4打席でも長打を稼いだ。5点を追う8回2死一塁、外角のカーブを捉え、打球速度164・6キロのライナーで中堅手の頭上を越える適時三塁打。第2打席で空振り三振を喫した決め球のカーブを攻略した。高い打撃技術と俊足を兼ね備えた大谷に、バジットは「95マイルの内角球にも外角の緩いボールにも対応してパワーのある打撃ができる。どれだけ彼が素晴らしいか。MVPレースのトップであるべきだ。大谷を獲得したエンゼルス、おめでとう」と舌を巻いた。

だが、そのチームの投打がかみ合わない。先発は2失点と粘ったが、救援陣が3被弾。同地区首位に完敗し、3連敗で借金は今季最多の8となった。大谷の次回登板は、中8日で28日アスレチックス戦の予定。登板間に打者で出場を続け、浮上のきっかけをつかみたいところだが、先発、救援陣ともに安定感を欠いている状況だ。マドン監督は試合後、「イライラするのは、それはもう疑いようがない」と嘆いた。大谷の高い打撃力を生かすためにも、まずは投手陣の立て直しが急務だ。