<エンゼルス7-5タイガース>◇17日(日本時間18日)◇エンゼルススタジアム

エンゼルス大谷翔平投手(26)が相手主砲のいたずら(?)にも負けず、3勝目を挙げた。タイガース戦に「2番投手」で出場。打者では2四球で1打数無安打も、投げては12年の打撃3冠カブレラからスライダーで2三振を奪うなど、粘りの投球で6回5安打1失点。19年以来となる観客動員100%で行った本拠地の最初の試合。3万709人が見守る中、今季10試合目の登板を勝利で飾った。

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くせ者カブレラ-。大谷はメジャー1年目の18年5月下旬、タイガース戦で登板した。カブレラは故障で離脱中で対戦はならなかったが、大谷について「彼は3冠王もとれるし、サイ・ヤング賞もとれる」と、打撃3冠に投手の最高タイトルを加えた4冠に太鼓判を押していた。

南米出身ならではの陽気さがある。クラブハウスで片言の日本語で放送禁止用語を連発していたこともあった。だが、打撃の技術論を聞くと「分からない。練習したから」。19年にエンゼルス監督だったオースマス氏が、大谷の逆方向への長打力をカブレラと重ね合わせていたことについても「分からない。彼は左打者だし」とバッサリ。当時の球団広報によると、気分が乗らない時もあるようだ。

それはさておき、大谷に興味津々であることは間違いない。3年前、「打てるんだからもっと試合に出るべき。ピッチングの日に、打つこともできるだろう。それはもうアンビリーバブルなことだね。ハッハッハ」と笑い、上機嫌だった。期待が現実になり、敵ながらうれしいのだろう。【MLB担当 斎藤庸裕】