4回までに9三振を奪ったパドレスのダルビッシュ有投手(34)が、4回終了時点で2回目の不正投球チェックを受けた。

マウンドを降りると、審判団に呼び止められ、グラブ、帽子を手渡した。不正なしが確認されると、グラブ、帽子を受け取り、ベンチへと下がった。1回の投球終了後にも同様のチェックを受けていた。

大リーグでは同日から全球場で、先発、救援の全投手に対する不正投球のチェックを開始。違反者の罰則適用も厳格化することで、粘着性の強い「スパイダータック」など新物質の横行に歯止めをかけたい方針。

不正なしが確認されたダルビッシュは、1回1死一塁から7者連続三振をマークするなど、4回までの12アウト中、9アウトを三振で奪った。

◆「スパイダータック」 粘着物質の中で特に問題視されているのが、「スパイダータック」という強力な滑り止め。本来は重量挙げなど筋力系種目の選手が、グリップ力を強化するために使用してきた。ロジンをベースに高分子化合物を調合したものだそうだが、粘着性は強力な接着剤並みだ。製品名の直訳は「クモのねばねば」。粘着性のある糸で虫を捕獲するクモのごとく、手に塗ってボールを持つと、パーの形で手のひらを下に向けても落ちない。これで球を投げると、日焼け止めオイルを混ぜた滑り止めよりも回転数が25%上昇するという。ワシントン州立大学のロイド・V・スミス教授の実験によると、回転数が10%増加すると変化量は約1・9センチ増大したという。