エンゼルス大谷翔平投手(27)が、周囲を驚かせる特大弾を放った。9日(日本時間10日)のマリナーズ戦に「2番DH」で出場し、第2打席で2戦連発となる33号ソロ。飛距離463フィート(約141メートル)の1発を右翼アッパーデッキまで飛ばした。自身が塗り替えた日本人選手のシーズン最多本塁打を更新し、本塁打数で2位に5本差をつけてトップを独走。球宴前の33本塁打は外国人選手では98年のサミー・ソーサ(カブス)と並んで最多タイとなった。

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3回1死、大谷が左腕ゴンザレスの内角速球を完璧に捉えた。角度31度で打球が飛ぶと、イグレシアスと水原通訳は抱き合った。アップトンは頭を抱えて驚いた。2戦連発の特大33号は、Tモバイルパーク右翼の最上段のアッパーデッキへと飛び込んだ。

MLB公式データのスタットキャストでは飛距離463フィート(約141メートル)。これに反論が続出した。マドン監督は「463であるはずがない」と声のトーンを上げ、ベンチから見ていた先発右腕カッブは「スタットキャストが間違っていると思う。500フィート(約152メートル)を軽く超えていたと思うね。ただただ信じられない」。近くで目撃した両者が口をそろえて公式記録を否定するほど、高く、遠くまで飛んだ。

球宴前の33号は、外国人選手では98年にシーズン66発を放ったサミー・ソーサに並んだ。日本ハム栗山監督はかつて「大人が少年野球のグラウンドで打ったら簡単に入るでしょ? そういう感じ」と並外れた打撃力の高さを表現した。今季は開幕直後にはトラウトやスタッシが、二刀流の大谷を「リトルリーグみたい」と例えた。違う次元でプレーしているかのような強烈な打球を、シアトルのファンの前で披露した。

チームは敗れたが、これで5試合連続安打。本塁打数では2位と5本差と独走状態だ。ホームランダービー日本人初出場初優勝へ。期待がより一層高まる、特大の一撃だった。【斎藤庸裕】