【アナハイム(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が打たせてもらえない。アストロズ戦に「2番DH」で出場し、1打数無安打。4打席立ったが、第2打席から3打席連続の四球で歩かされた。2試合、10打席で7四球(2敬遠)。リスク回避の徹底策が続いた。

この日、4打席で27球のうち、真ん中付近の甘い球はわずか2球。ほとんどがストライクゾーンのギリギリか枠外だった。僅差の展開で相手にとっては1発を浴びれば痛い失点となる。ボール球で散らされたが、じっくり見極めた。前日の試合後、マドン監督が「敬遠よりは四球がいい。(打つ)ゾーンを広げてないということだから」と話したように、大谷は打ちたい欲に負けずに選球に徹した。

6回の第3打席では四球で出塁後、2死一塁から今季24個目の盗塁に成功。その後、2点目のホームを踏んだ。試合前、現状の大谷についてリード打撃コーチは「スタンドの多くのファンが、ホームランを見たいと思っている。我々もそうだが、つなぐ、四球をとるということは時に、勝つという点でそれ(本塁打)と同じように価値のあるもの」と指摘。我慢の打席が続く一方で、チームプレーの姿勢で流れを引き寄せた。

幸いブルージェイズ・ゲレロは不発、ロイヤルズ・ペレスは試合がなく、トップまで1本差のまま。24日からマリナーズ3連戦に臨むが、プレーオフ進出へ勢いづく相手で、ア軍と同様のリスク回避に徹する可能性が高い。1試合で数球の甘い球を仕留められるか、正念場の状況は続く。

 

〇…大谷が史上6人目の「45・25クラブ」入りに王手をかけた。これは、45本塁打以上、25盗塁以上を同一シーズンに達成した希少な記録。93年にジャイアンツのバリー・ボンズ(46・29)が初めて達成し、97年にロッキーズのラリー・ウォーカー(49・33)、98年にブルージェイズのホセ・カンセコ(46・29)、99年にブレーブスのチッパー・ジョーンズ(45・25)、元広島で06年にナショナルズのアルフォンソ・ソリアーノ(46・41)が続いた。大谷が達成すれば15年ぶり。