ブレーブスの苦労人タイラー・マツェク投手(31)がチームを救った。7回、2点差に詰め寄られ、なお無死二、三塁から登板するとプホルス、ソーザ、ベッツを3者連続三振。反撃を食い止めた。自身初、チームを22年ぶりのワールドシリーズ進出に導き「信じられない。3人を三振にとりたいと思っていた。簡単なことではない。みんなのために何とかしたかった」と興奮しながら振り返った。

何度も挫折を味わった男が頂上決戦まで上り詰めた。09年、ロッキーズのドラフト1巡目(全体11位)で指名されたが、16年に契約解除。米メディアによれば、その後ホワイトソックス、マリナーズとマイナー契約も、ともに3月下旬に解雇となった。17年はテキサス州の独立リーグでプレー。19年にダイヤモンドバックス傘下マイナーに移籍も、再び独立リーグに戻った。19年8月にブレーブスと契約し、昨年ようやく開花。今季は勝利の方程式の一角として活躍した。

ア・リーグ王者アストロズとの戦いは、敵地のテキサス州ヒューストンでの2連戦からスタートする。マツェクは「楽しみだね。テキサスは、僕に野球を続けさせてくれた。プレーすることが待ち遠しい」。下積み時代の感謝を胸に、メジャーでの頂点を目指す。