ワールドシリーズがアトランタに舞台を移し、ブレーブス地元ファンの名物応援スタイルである「トマホークチョップ」が全米から注目を集め、論争を巻き起こしている。

トマホークチョップはネーティブアメリカンを象徴し、なたを振るような動作で片手を上下する動きによって表現される応援スタイル。1991年ころに始まったという説があり、近年ではネーティブアメリカンに対して差別的であり、やめるべきとの声も上がっていた。

アトランタで行われているワールドシリーズでは、このトマホークチョップ応援が従来通り行われている。そのタイミングに合わせるように、米メディアの間で批判が再燃。CNN電子版は「ブレーブスの応援スタイルはレイシストであり、非人道的である」と断じ、スポーツ・イラストレイテッド電子版は「MLBはなぜ、いまだにアトランタでチーム公認の差別を続けさせているのか」と批判した。USAトゥデー紙のベテラン野球記者ボブ・ナイチンゲール氏は「私はトマホークチョップを止めることもアトランタの球団名を変えることもできないが、無視することはできる。球団名が侮辱的だと感じ、記事に球団名を使わないようにしている」と書いた。

MLBでは、インディアンスが来季から球団名をガーディアンズに変更すると発表するなど配慮の動きが出ているが、ブレーブスは球団名もトマホークチョップも継続の方針。マンフレッド・コミッショナーはこのワールドシリーズ期間中「ブレーブスという球団名は、ネーティブアメリカンに配慮し変更された他のチーム名とは違う。全米には30球団があり、地域差がある。ブレーブスは、地元のネーティブアメリカンのコミュニティーとよく連携し、サポートを受けている」と擁護する発言をしている。