スポーツ界の発展に貢献した個人・団体を表彰する「日本スポーツ学会大賞」の授賞式が22日、都内で行われ、受賞者の1人で岩手・花巻東高の佐々木洋監督(46)が、教え子たちに夢を託した。エンゼルス大谷翔平投手(27)、菊池雄星投手(30=マリナーズFA)とともに同賞を受賞し、大谷には本塁打王、菊池にはサイ・ヤング賞の獲得を期待。両選手の恩師が、日本人選手では初のダブル快挙に太鼓判を押した。

    ◇    ◇    ◇

投打の教え子へ、恩師からビッグな夢が託された。2選手とともに「第12回日本スポーツ学会大賞」を受賞。表彰式で喜びと感謝を伝えた佐々木監督は「菊池雄星はサイ・ヤング賞という目標も持っていますし、大谷翔平もベーブ・ルースの記録や、本塁打王も目指して頑張ってやっていくと思います」と、両選手にさらなる期待を寄せた。

花巻東の先輩後輩の2人は昨季、メジャーの球宴に初めて選出された。だが、ともに後半戦で失速。大谷は、日本人初の本塁打王のタイトルを目前で逃した。一方で、佐々木監督は「これから大谷選手が進化していくのにプラスと私は思っています」と捉えた。花巻東が明治神宮野球大会に出場した昨秋、同監督は帰国中の大谷と会食。「ホームランを打つことにもこだわっているように感じましたし、常に進化して、毎日トレーニングもしていたようなので、必ずやってくれるんじゃないかなと思います」と太鼓判を押した。

菊池、大谷ともに高校入学時からずばぬけた能力があった。だが、「勘違いしないというか、いつまでもそういう姿勢でやっている」(佐々木監督)と、人間性も優れていたという。謙虚さと向上心-。「大谷に関しては、常に自分を超えていくことにすごくこだわっているような感じがしますけど、一つの基準というか目安として、そこ(本塁打王)は超えていって欲しい。日本人でもできるんだっていう気持ちを、子どもたちにも与えて欲しいなと思います」と熱く語った。

メジャー5年目のシーズンに向け、準備を進める大谷はビデオ映像でメッセージを寄せた。「菊池雄星さんと、佐々木監督と一緒に受賞できることをとてもうれしく思っています。これからも野球界、そしてスポーツ界を一緒に盛り上げていけるように頑張りたいなと思います」。花巻東、そして日本を代表し、さらなる夢の実現にまい進する。【斎藤庸裕】

○…今季、所属先が未定の菊池も夢の実現に意欲を示した。ビデオ映像では「どこでプレーするにしても、ケガなく野球を楽しんで、いい結果を残せるように頑張りたい。夢に向かって、決して諦めることなく、常に挑戦する日々を送っていきたい」と意気込んだ。