MLBと選手会の労使交渉が決着し、いよいよMLBの開幕が近づいてきた。ニッカンスポーツコムでは「カムカムMLB」と題して、今季のメジャーリーグの見どころを紹介していく。第3回は広島からポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す、鈴木誠也外野手(27)の現地メディアの評価について。

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鈴木は昨年11月21日にポスティング申請を行い、30日間の交渉期間がスタート。12月2日にロックアウトに突入し契約交渉が一時中断したが、新労使協定が締結されたことで交渉が再開された。米メディアからの評価は軒並み高く、MLB公式サイトが公開した交渉再開後の「契約可能なFA選手」では、トップ9人に名を連ねた。この回では、これまでに鈴木の比較対象として名前が挙がった選手を紹介する。

◆ブライス・ハーパーとピート・アロンソ

CBSスポーツは、鈴木がフィリーズのスター選手、ブライス・ハーパー外野手(29)と、メッツのピート・アロンソ内野手(27)の2人の本塁打王経験者に似た特徴を持つと分析した。ハーパーは19年に当時史上最高額となる13年総額3億3000万ドル(約380億円)の超大型契約で、ナショナルズからフィリーズに移籍。アグレッシブなプレースタイルでメジャー屈指の人気を誇り、昨季はリーグトップのOPS1.044を記録して自身2度目のMVPに選ばれた。アロンソは19年にデビューし、新人記録となる53本塁打を放って本塁打王と新人王に輝いた。

同メディアは鈴木の昨年の打球を分析し、打球速度は約45%が95マイル(約153キロ)以上で、打球角度が10~30度だった割合は26.5%だったと紹介。これらのデータは2選手の数値と近く、さらにボール球のスイング率や空振り率もメジャー平均より優秀で「打球が強く、ボールのコンタクト率も高い。あまりボール球に手を出さず、打球角度も優れている」と評した。

◆ムーキー・ベッツ

ボストンの地元紙イーグル・トリビューン電子版は「日本のムーキー・ベッツ? 鈴木が次のスター選手になるか」との見出しで、18年に首位打者とMVPを獲得したドジャースのムーキー・ベッツ外野手(29)と比較。長打力と、ボール球を見極める技術を併せ持つことは珍しく、NPBの情報サイト「ジャパンボール」を手掛けるシェーン・バークレー氏の「彼みたいに兼ね備えている選手は少ない。類いまれな才能だ。これらのスキルは世界のどこでも通用する」とのコメントを紹介した。

◆ロナルド・アクーニャ

ドジャース専門メディア「トゥルー・ブルーLA」のブレーク・ハリス氏が昨年11月、「鈴木誠也は本物。ドジャースが獲得に動くかはわからないが、まだ27歳で、ロナルド・アクーニャと比べられている」とツイート。18年に新人王を獲得し、19年に41本塁打、37盗塁を記録したブレーブスの若きスター、ロナルド・アクーニャ外野手(24)が、関係者の間で鈴木の比較対象に挙がっていると明かした。MLB公式サイトでも同様の内容が伝えられ、球団関係者も鈴木に大きな期待を寄せていることが分かった。