ブルージェイズ菊池雄星投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地エンゼルス戦に先発し、5回2失点と踏ん張ったものの、勝敗は付かなかった。花巻東高の後輩、エ軍大谷との今季初対戦では、3打数無安打に抑えた。一方で、毎回の9被安打。5回に2失点で逆転され、87球で救援陣にマウンドを譲った。

白星を逃しても、手応えの残るマウンドだった。過去、2本塁打を喫した大谷には、スライダー主体に速球を織り交ぜ、無安打に封じた。「本当にすばらしい打線。大谷1人のことを意識できないようなすばらしい打線ですから、1球1球集中してました」。

実際、大谷の後に控える3番トラウトには2安打を浴びた。だが、MVP3回の大砲相手に、第2打席には最速98マイル(約158キロ)を計測した末、空振り三振に封じた。速球主体の勝負に「そこでファウルを打たせられたのは、すごく自信になりました」と納得の表情だった。

マリナーズに在籍した過去3年は同地区でもあり、大谷と対戦するたびに、試合の勝敗以上に個人の結果ばかりが注目された。菊池にすれば、本意ではない。ただ、ブ軍へ移籍した今季は、少し心境が変化した。年間で対戦できるのは、ホームとビジターで最大2試合。「こういう舞台で毎年対戦できるというのは幸せなこと。投げるのに必死ですけど、見ている皆さんが楽しんでくださるのであれば、もっとレベルの高い投球ができるようにと…」。大谷だけでなく、強打者との力勝負が、菊池の闘争心を新たにしていた。