【マイアミ(米フロリダ州)6日(日本時間7日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、またまた連敗ストッパーで二刀流の本領を発揮した。

マーリンズ戦に「3番DH兼投手」で出場し、7回を2安打1失点(自責0)。自身初の3試合連続2ケタ奪三振、打者でも5回に勝ち越しの2点V適時打を放ち、自ら8勝目をたぐり寄せた。5戦5勝、この日は4連敗中のチームを救うなど、うち4戦で連敗を止める快投。前日に28歳の誕生日を迎え、初のマイアミ見参で披露した二刀流パフォーマンスの裏には、野球一筋のプロ魂があった。

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大谷は時折、「オリャァー」と声を張り上げ、思い切り腕を振った。100マイル(約161キロ)超えの直球は6球。力で押しながら、67・9マイル(約109キロ)のスローカーブ、曲がりの大きいスライダー、宝刀スプリット、ほぼ全球種を駆使した。「体も不安がなく、しっかり1球1球投げられているのが、調子うんぬんより、そこが一番大きいかなと思います」。失策絡みで失点した1回以降は、マーリンズ打線を圧倒した。

打者では同点の5回2死満塁、左腕ロジャーズの外角直球を左前に運んだ。かつてマーリンズに所属していたイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)のような華麗な流し打ち。決勝の2点適時打で自らを援護した。7回は1死一塁から四球で出塁。その後は二塁走者とのダブルスチールで今季10個目の盗塁を決めた。

先制点は許したが、「3者凡退を続けられれば、自ずといい流れになる」と、粘りながらリズムを作った。投打で自らつかんだ8勝目。前日は誕生日で、28歳のシーズンへ向け「健康で終えたいのが一番。そこで残った数字がオフシーズンの反省になるので、まずは1試合1試合、元気に頑張りたい」と力強く誓った。