エンゼルス大谷翔平投手(28)が、米国のドラフトを変えた。MLBのドラフト会議が17日にロサンゼルスで始まり、1巡目で二刀流選手が2人指名された。ブレーブスは全体20位でオーウェン・マーフィー(18)、ジャイアンツは全体30位でレジー・クロフォード(21)を指名。クロフォードは、ドラフト1巡目初の「ツーウエー・プレーヤー(TWP=二刀流選手)」登録になった。ともに二刀流としてキャリアを始める予定で、大谷の活躍が他球団の育成にも大きな影響を与えている。

   ◇   ◇

まず始めに指名されたのは、ブレーブスのマーフィー。3年時には防御率0・12と打率5割4分8厘を記録し、イリノイ州の年間最優秀選手に選ばれた。投手として指名されたが、球団から二刀流として育成すると伝えられているという。インタビューで「ずっと二刀流でプレーしたかった。打つのも投げるのも大好き。どちらかに専念するときが来るかもしれないけど、できるだけ長く二刀流を続けたい」とコメント。大谷については「メジャーでも投打すべてができることを示してくれた。球界にとってすごく大きな存在。彼に触発された」と話した。

もう1人はジャイアンツから指名されたクロフォード。指名時には「ツーウエー・プレーヤー(TWP=二刀流選手)」として登録された。大谷の存在で20年から大リーグで二刀流選手の登録が新設され、3年目のドラフトで初指名となった。チームは二刀流として育成する予定で、クロフォードは「成功するかどうかはわからないが、二刀流をやらせてくれることに本当に感謝している」と話した。球速は最速100マイル(約161キロ)を誇り、球団公式サイトでは「次の大谷か?」と紹介されている。

これまでもアマチュアで投手と野手でプレーしてきた選手は多数いたが、二刀流としての育成が本格的に始まったのは近年になってから。レイズは17年ドラフト1巡目で二刀流のマッケイを指名し、メジャーでも投打で出場した。エンゼルスのウォルシュ内野手とロレンゼン投手もかつてメジャーで二刀流を経験したが、現在はそれぞれのポジションに専念している。

 

◆オーウェン・マーフィー 2003年11月12日、イリノイ州生まれ。リバーサイドブルックフィールド高から22年ドラフト1巡目全体20位でブレーブスから投手として指名されたが、投手兼内野手の二刀流として育成される見込み。投手としては最速96マイル(約154キロ)の速球と質の高いスライダー、カーブ、カットボールを持つ。185センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆レジー・クロフォード 2000年12月4日、ペンシルベニア州生まれ。コネティカット大から22年ドラフト1巡目全体30位で「ツーウエープレーヤー」としてジャイアンツから指名。投手と一塁手の強打で豪腕の二刀流で、大学の21年シーズンにリーグ最多の13本塁打、62打点、投手では主に救援で6試合、1勝1敗、防御率2・35。193センチ、107キロ。左投げ左打ち。