パドレスのダルビッシュ有投手(36)が第1戦に先発し、7回101球を投げ、6安打4奪三振1失点でポストシーズン自身5年ぶりの白星を飾った。敵地にメッツファンの大歓声やブーイングが響く中、5回途中7失点でKOされたサイ・ヤング賞3度の右腕マックス・シャーザー(38)に投げ勝った。ポストシーズンでは17年のワールドシリーズ第3戦から自身3連敗中だったがストップ。地区シリーズ進出に王手をかけた。

「あまり体は動いてなかったですが、今日できる範囲のピッチングをしようと思って、慎重に相手打者の特徴を頭に入れた上で投げてました」

序盤はピンチの連続だった。1回に4番ベルの2ランで2点を先制した直後のマウンド。1死一、三塁のピンチで今季打点王の4番アロンソを2ストライクから見逃しで3球三振に切った。3-0とリードを広げた2回は1死二塁からこの試合3つ目の盗塁となる三盗を決められ、1死三塁のピンチを招いたが、フルカウントから空振り三振、中飛で無失点に抑えた。

「初回に2点取ってもらって、1点ぐらいならいいやというところで、そういう意味でもすごく気楽に投げることができました」

4回は4番アロンソを2打席連続の三振に打ち取るなどペースアップ。5回は打線がシャーザーから3ラン、ソロと2発を放ち、計4本塁打で7点を奪いKOした。

大量援護を受けたダルビッシュは7回まで続投。1死から二塁打を浴び、トレーナー、メルビン監督らがマウンドに来て状態を確認したが、カーブで空振り三振、遊飛に打ち取った。ベンチに戻るとハイタッチで迎えられた。

ポストシーズンは過去に7試合登板し、2勝5敗、防御率5・18と苦戦したが、メッツ戦はこれまで8試合登板し、5勝0敗、防御率2・56。今季も2戦2勝と好相性を誇っていた。登板前日には「あまりエキサイトしすぎないように、がんばりたいと思います」と抱負を語っていた。試合後は「なるべく普段と同じようにと言い聞かせてました。ルーティンであったりブルペンであったり、レギュラーシーズンと変わらない形で投げることができたと思います」。

エース対決となった第1戦を制し「明日も試合がある。自分も次の準備をしっかりしながら勝てるように応援したいと思います」と言った。

▽メッツのショーウォルター監督 ダルビッシュに対して序盤に何度かチャンスがあり、いつもならそれをものにできる我々の打線が、得点できなかった。それだけダルビッシュが良かったということ。彼は打者に有利なカウントでも変化球を投げてくる。どうやって得点すればいいか、分からなかった。

▼ダルビッシュがポストシーズン(PS)ではドジャース時代の17年以来5年ぶりの勝利。日本人投手のPS通算3勝は田中将大の5勝に次ぎ、松坂大輔に並んだ。