ポスティング制度でメジャー移籍を目指していたオリックス吉田正尚外野手(29)が7日(日本時間8日)、レッドソックスと5年契約で合意した。年俸などの総額は9000万ドル(約126億円)で、カブス鈴木誠也の5年8500万ドルを抜いて日本人野手最高額となった。オリックスへの譲渡金は1537万5000ドル(約21億5200万円)。身体検査後に正式契約を結ぶ予定で、ポスティングで30球団への公示から1日という超早期決着。代理人のスコット・ボラス氏が「新幹線」と語る異例の事態を、吉田正自身も語った。

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公示から1日という早期決着に吉田正本人も驚いた。母校の青学大で練習後「(理由は)分からないです。自分もびっくりしています」と白い歯を見せた。ボラス氏に対し「自分がしっかりプレーできる環境は代理人に任せていた」。答えはグリーンモンスターがそびえ、左翼が狭いフェンウェイパークだった。5年契約には「すごいなと思います。人ごとです。僕は交渉に入っていないので分からない」と話した。 レ軍はア・リーグ創設から参加し、ベーブ・ルースも所属していた古豪だ。「伝統のある球団で。どっしりいきたいです。日本人選手も行っていますし、名門という感じです」。日本人は野茂、松坂、上原らが在籍したが、全員が投手。野手では初めて、ボストンを本拠地とする。 年俸総額9000万ドルは、米移籍時で日本人野手の最高額となる。「そういうのは変わっていく時代ですから。あまり気にしない。そういう評価していただいたのはうれしいですし、もちろん期待に応えたいです」。狙うは日米で2年連続の頂点。「チーム(オリックス)が優勝、日本一になったように、ワールドシリーズ優勝がチームの目標だと思うので、その一員として戦えれば光栄」と意気込んだ。【斎藤直樹】

○…吉田正にとって青学大時代の監督、河原井正雄氏もメジャー電撃移籍に驚いた。この日も練習を見つめ「プロに行って、ここまでなるとは思わなかった。絶対に打率は残すと思っていたけど。ここまで評価されるようになったのは驚き。メジャーで肩とか足とか求められるだろうから。本人も驚いていた」。日本シリーズの前後からメジャー願望を聞いており、夢をかなえた教え子に目を細めた。

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