【ピオリア(米アリゾナ州)24日(日本時間25日)=四竈衛】パドレスのダルビッシュ有投手(36)が、30日からの開幕カードを回避し、6戦目となる4月4日(同5日)の本拠地ダイヤモンドバックス戦で今季のスタートを切る見込みとなった。ボブ・メルビン監督(61)が明かしたもので、WBCでの疲労や調整遅れを考慮し、キッチリと仕上げて初登板に備える方向性が固まった。

球団初の世界一を目指すパドレスにとって、チームの宝でもあるエースに「無理強いは禁物」だった。今回のWBC開催に伴い、パ軍はダルビッシュに対して、キャンプ地入りせず、侍ジャパンの宮崎合宿への参加を「特例」で容認。もっとも、ダルビッシュはWBCで準々決勝以降、救援として待機。登板後のブルペン投球などで一定の球数をこなしたとはいえ、実戦での投球不足は否めず、キャンプ延長の方針を固めた。

大会後の23日にチームに合流したダルビッシュは、25日にマイナーの試合に登板。その後、30日前後に再びマイナーの試合で調整登板し、4月4日の今季初先発に臨む見込みだ。メルビン監督は「明日は3~4回投げる。そのあとは様子を見て決める」と話しており、ダルビッシュには急仕上げを求めず、長い公式戦を見据えて調整最優先を促したものとみられる。

この日は、ブルペンでシャドー投球を繰り返し、映像で確認しながらフォームをチェック。球団アドバイザーの野茂英雄氏から助言を受ける光景も見られた。ダルビッシュは前日、「開幕までというより、これからどうやっていくか。そこはゆっくりやります」とコメント。開幕は重要でも、本当の勝負はポストシーズン。慌てず、焦らず、長丁場を見据えて仕上げていくことになった。