【メサ=四竈衛】メジャー1年目のアスレチックス藤浪晋太郎投手(28)が、オープン戦最後の登板で6回無安打2失点4四球3奪三振と快投を演じた。4回に3連続四球と2暴投で失点したものの、ハードコンタクトを許さない文句なしの投球だった。登板後は「全体的にいいイニングが多かったのでよかったです。4回がなければ言うことなかったんですけど、修正できたので、まあオープン戦なので良しとします」と冷静に振り返った。

最速98マイル(約158キロ)に対し、「最遅」は71マイル(約114キロ)のスローカーブと、44キロの球速差でブルワーズ打線を翻弄(ほんろう)した。球数も予定通りのジャスト90球。「力んで球数が増えるよりは、最悪、打たれてもいいや、ぐらいの感じで投げたのは多少ありました」。少しでも長いイニングを投げることに重点を置くなど、公式戦を想定した「予行演習」としては、イメージ通りの投球だった。

この日でアリゾナでのキャンプを打ち上げ、試合後は本拠地オークランドへ移動。同エリアでジャイアンツとのオープン戦2試合を経て開幕を迎える。藤浪は開幕2戦目となる4月1日(同2日)の本拠地エンゼルス戦でのデビューが正式に決定。いきなり同学年の大谷翔平投手(28)との対決が実現する。

「もちろん抑えられるに越したことはないんですけど、仮に打たれてもチームが勝てばいいです。それでも、日本の皆さん、楽しみにしてくださる方もいると思うので、できるだけ抑えられるように一生懸命頑張って投げます」。

緊張するはずのデビュー戦で、しかも相手は大谷が中軸に座るエ軍打線。それでも、藤浪はあくまでも冷静で、どこか客観視しているかのようだった。