ブルージェイズ菊池雄星投手は昨季と今季で大きく異なる成績を残している。

昨季=6勝7敗、防御率5・19。

今季=6勝2敗、防御率4・47。

勝ち星が伸びた最大の要因は制球の改善にある。昨季は与四球率(9回平均の四球数)が5・19とメジャー移籍後でワーストだった。今季は3・04に減った。

一方で、奪三振率は11・09から8・31に下がっている。被安打率(9回平均)は8・31から9・59と悪化。被本塁打率(9回平均)も2・06から2・40と増えている。だが、四球の減少により、1イニングあたりのWHIP(許走者数)は1・50から1・40と改善している。

投球内容も変わった。ベースボールサバントのヒートマップを見ると、直球を昨季はストライクゾーンの真ん中を中心に広域に配していたが、今季はストライクゾーンの高めに集めている。ゴロとフライの比率も昨季は1・18と1を超えていたが、今季はメジャー移籍後初めて1を下回る0・93に。全球種で球速も上がり、特に直球の平均95・2マイル(約153・2キロ)は渡米後で最高。力のある直球を高めに投げ込んで飛球を上げさせる「パワーピッチング」が今季は奏功している。それに伴い、低めの変化球が生きる好循環を生んでいる。【斎藤直樹】