MLBのドラフト会議が11日(日本時間12日)に行われ、大阪出身で東北高(宮城)でプレーした西田陸浮(りくう)内野手(22=オレゴン大)がホワイトソックスの11巡目(全体329位)で指名された。身長168センチと小柄ながら、パンチ力もある右投げ左打ちの内野手。日本人がMLBドラフトで指名されるのは、2013年にヤンキースが2巡目(全体66位)で指名した加藤豪将内野手(28=現日本ハム)以来、5人目となる。

西田は高校時代、佐々木主浩(元マリナーズ)、斎藤隆(元ドジャース)、ダルビッシュ有(パドレス)のメジャー3投手らを輩出した東北(宮城)でプレーした。ライバル仙台育英の壁が厚く、甲子園出場はなかったが、19年夏は宮城大会で決勝に進出。柴田との準決勝は「3番一塁」でスタメン出場し、2-1で迎えた6回、インコース高めのカーブを捉え、右翼への公式戦1号本塁打を放った。決勝進出を手繰り寄せる一打に試合後、「センターにはじく意識で塁に出ようと思っていた。本塁打は狙ってなかったが、感触は良かった。一塁を回った時点で確信した」と振り返った。

同夏の選手登録では身長171センチ、体重68キロとなっている。楠葉西中(大阪)では、硬式野球チームの北大阪ボーイズでプレーした。東北ではケガでスタメンを外れることもあったが、最終学年では3人いる副主将の1人で、公式戦では主に中軸を任された。

夏の大会前の学校アンケートでは、石川原太陽主将(現東北学院大4年)が「グラウンド内で誰よりも声が出ていた。目立っているから」と印象深いチームメートの1人に挙げている。当時のマネジャーも「人をまとめる力がある。こいつと甲子園に行って一緒に戦いたいと思う」と記していた。

今ドラフト時に発表された身長5フィート6インチ(約168センチ)なら、首位打者3度のホセ・アルテューベ内野手(33=アストロズ)と同じ。米専門サイトなどでは「今ドラフトで最も小柄な選手」と紹介されている。高校卒業後に渡米。マウントフード・コミュニティーカレッジから今季、オレゴン大に転校し、NCAAのリーグで63試合に出場。打率3割1分2厘、5本塁打、37打点、25盗塁をマークした。

◆西田陸浮(にしだ・りくう)2001年(平13)5月6日生まれ。大阪府出身。楠葉西中(大阪)では北大阪ボーイズでプレー。東北高(宮城)からマウントフッド・コミュニティーカレッジを経て、23年オレゴン大に編入。シーズン25盗塁はリーグ新記録でナッシュビル地区MVP選出。168センチ、68キロ。右投げ左打ち。