昨季までエンゼルスに所属していたマックス・スタッシ捕手(32=ホワイトソックス)が、昨季全休した理由は生まれた長男のためだったと12日付のジ・アスレチックで告白した。

スタッシは19年途中にエンゼルスに移籍し、22年には自己最多の102試合に出場。大谷翔平投手(29=ドジャース)とは通算で34試合バッテリーを組んだ。昨季キャンプはケガのリハビリに取り組んでいたが、その後にチームを離れ1シーズン全休。理由は「家族の事情」としていた。

スタッシの妻ギャビーさんは昨年3月、わずか妊娠21週で破水し、もしそのまま出産すれば赤ちゃんが助からないという状況に陥った。22週を過ぎれば新生児の成育を助ける処置ができる、おなかに長くとどめておけばおくほど良いと聞かされ、破水から出産まで約4週間耐え抜いたという。それはほぼ奇跡的だった。

羊水を失った状態で赤ちゃんにダメージが出るリスクを抱えながら出産したのは昨年4月。予定より3カ月早い出産で、体重はわずか677グラムだった。生まれてから6カ月間は人工呼吸器を付け、現在も呼吸のためのチューブを装着し、2歳までその状態が続く見通しだという。

スタッシはギャビーさんの出産まで病院につきっきりとなり、今も長男中心の生活を送る。「かつて自分にとって大事なことが、今はそうでなくなった。僕ら夫婦の人生観が変わった」という。だが野球のフィールドに戻る準備も徐々に進めている。昨年12月にエンゼルスからブレーブスにトレードされ、翌日にホワイトソックスに再トレードされた。今季は新天地での復帰を視野に入れ、2月のキャンプに備えている。