【アナハイム(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(29)が、古巣エンゼルスタジアムで大歓迎を受けた。オープン戦最終戦のエンゼルス戦に「2番DH」で出場。同球場には昨年10月1日以来、約6カ月ぶりの登場で、第1打席はスタンディングオベーションで迎えられ、大谷もヘルメットを掲げて返礼した。28日(同29日)の米国開幕戦(カージナルス戦)へ向け、心身ともに最終準備を終えた。

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ドジャース大谷は、やはり気遣いのできる男だった。古巣アナハイムを訪れたのは、昨年10月1日の公式戦最終戦以来。当時は残留の可能性を残しつつも、右肘手術を経て、オフにFAとなることもあり、ひっそりと球場を後にした。アリゾナでのキャンプ中やドジャースタジアムでの過去2試合の間、トラウトら旧友とはグラウンドでハグを交わし、雑談しながら旧交を温めた。

この日の試合前、大谷は人知れずエ軍のクラブハウス周辺を訪れ、関係者への「あいさつ回り」に出向いていた。昨季までの6年間、毎試合サポートをしてくれた裏方のスタッフらに、感謝の思いを伝えた。球団職員だけでなく、屈強なガードマンたちにも笑顔であいさつ。試合後はビジターのクラブハウスの担当者に、ドジャーブルーの背番号「17」のユニホームを残して帰宅した。

球界を背負うスーパースターになっても、日本人の美徳でもある「あいさつ」「義理」を忘れない。大谷が愛される理由は、おそらくグラウンド上のパフォーマンスだけではない。【MLB担当=四竈衛】