パドレス松井裕樹投手(28)が、登板3試合目でメジャー初勝利を挙げた。本拠地初戦のジャイアンツ戦で、2-2の7回途中からマウンドへ。勝ち越しを許した直後に味方が逆転する幸運に「リリーフの勝利は頂き物」と苦笑いしたが、球に切れがあり内容の濃い白星だった。

7回1死一、三塁で最初に相対した1番李政厚は元中日李鍾範の息子で、今季韓国から加入した好打者。暴投で二、三塁とピンチを広げた後で「何とか内野フライか、浅いフライにしたかった」と勇気を持って高めに148キロの速球を投じた。結果的に三塁走者の生還は許したが、浅めの中飛に打ち取った。

7回裏、味方打線が一挙4点を奪って逆転してくれた。松井は8回も続投すると、スプリットがさえた。2番からの好打順を3者凡退に仕留め、流れをがっちり引き寄せた。喜びが控えめな松井に対し、チームメートはケチャップをかけて手荒く「祝福」。シルト監督も「素晴らしい仕事だった」と頬を緩めた。

楽天で236セーブを挙げた、勝負どころでの強心臓は健在だ。先発したダルビッシュは「メンタルがすごいからこっち(大リーグ)に来ている。寒かったし、ボールも滑っていたのに」と感心していた。

◆松井の一問一答

-最高の本拠地初登板

「僕は何もしていない。ランナーをかえす結果になって申し訳ない。チームが勝てたことはうれしい」

-最初の打者、李政厚は2球で追い込んだ後の中犠飛

「ミート力のある打者。悔しい結果だが同地区なので、何回も対戦はあると思う。同じような場面で今度はタッチアップの打球を打たれないようにしたい」

-ここまで3試合、大事な局面で使われている

「中継ぎは名前を呼ばれることが一番うれしいこと。タフな場面ではあったけど、結果的にチームが勝ってそれが一番」

-ハートの強さは前評判通り

「本当ですか。そんなに評判は良くない。プラン通りにはいかなかったけど逆転した後に3人で切れた。最低限の仕事は2イニング目はできた」