【テンピ(米アリゾナ州)24日(日本時間25日)=大塚仁】エンゼルス松井秀喜外野手(35)の頼れる相棒がキャンプに加わった。家庭の事情で初日の練習に不参加だったボビー・アブレイユ外野手(35)が合流。ヤンキース時代と同様にさっそく松井のキャッチボールの相手を務め、守備、打撃練習をいずれも同じ組で行った。同じく元ヤ軍のリベラ、精神的支柱のハンターとともに、外野4選手による「チーム松井」が始動した。

 懐かしい空気が流れていた。新チームでのキャンプ2日目。ウオーミングアップを終えていったんクラブハウスに下がった松井は、アブレイユと前後してグラウンドに再び現れた。この日途中からキャンプに合流した、かつてのチームメートと再会。そのまま自然とキャッチボールが始まった。「一緒のチームになれたのはうれしい。今日は楽しく会話ができた」。そう話すアブレイユに「話し相手にはなるでしょう」と松井もほほ笑んだ。

 その後の練習はリベラ、ハンターとともに4人1組で行われた。リベラも03年までヤンキースに在籍。陽気なチームリーダーのハンターに加え、ヤ軍出身の3人はすぐに打ち解けた。同じ74年生まれのアブレイユとは、ジーターを含めた3人でだれが最初に結婚するかを賭けたほどの仲。外野とDHの4ポジションをこの4人で分け合うことが濃厚だが、その間のチームワークは早くも良好そのものだった。

 この日は初日とほぼ同じメニューで行われ、松井も初日同様に一部別メニューながら無難にこなした。まだ軽めの内容とあって「張りは若干ありますけど、問題ないですよ。ひざの状態は去年よりいい」と淡々。一方でうれしい誤算を強調したのがソーシア監督だ。「松井の現在の状態に関しては驚いている。聞いていたのとは違っているから。今は外野手の練習は問題ない状態。いい兆候だと思う」。すべてを無難にこなす動きは故障持ちのイメージからかけ離れていた。松井は新天地で、心身ともに順調なスタートを切った。