<レッドソックス3-5エンゼルス>◇4日(日本時間5日)◇フェンウェイパーク

 【ボストン(米マサチューセッツ州)=四竈衛】レッドソックス松坂大輔投手(30)が、メジャー5年目で初の救援マウンドに上がった。エンゼルス戦の延長13回表、救援投手が不足したため、8番手として緊急登板。2死満塁から2点適時打を浴びて敗戦投手(2勝3敗)となった。試合前の時点では6日(同7日)のツインズ戦で先発予定だったが、先送りされることが確実となった。

 意気に感じたはずのマウンドも、白星にはつながらなかった。3-3で迎えた延長13回表。松坂が初球を投げた時点で、時刻は午前2時27分を指していた。試合開始時には満員だった観客も、1000人足らず。いつ終わるともしれない展開に球場内は特異なテンションに包まれていた。

 だが、結果的に松坂投入を機に試合は動いた。先頭打者ケンドリックの正面の打球を一塁ローリーがはじき(記録は安打)、その後、2死満塁からアブレイユに右前へ運ばれた。主将バリテックは「1日半後に(先発で)投げるというのに、よく投げてくれた。もちろん結果が良ければ良かったが」と投球内容を問うことなく、気概に敬意を示した。

 5回表1死後、激しい降雨により2時間35分中断したことで、予期せぬ展開が始まった。先発ベケットは続投できず、中継ぎジェンクスが右腕のしびれで離脱。3日前に先発した44歳のウェークフィールドをつぎ込んでも決着はつかなかった。先発陣で登板可能な投手は、投球練習日の松坂だけだった。

 11回表。観客の拍手を背に、小走りでブルペンへ向かった松坂にすれば、周囲の期待感に気分が悪いはずもなかった。イニング間には外野を走り、可能な限りの準備を進めた。だが不慣れな役割で結果を出すのは簡単ではなかった。フランコナ監督も「彼には難しかったと思う」と、松坂を責めることは一切なかった。

 これにより今後の先発予定が変更されることが確実となった。午前2時45分の試合終了から、6日午後7時10分開始のツインズ戦まではわずか約40時間しかない。この日は試合前に38球の投球練習を行い、「あとは試合で結果を出すだけです」と話したが、試合後は厳しい表情のまま引き揚げた。思わぬ救援登板を、1敗以上の重みにするわけにはいかない。