<レイズ2-5レッドソックス>◇17日(日本時間18日)◇トロピカーナフィールド

 【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)=四竃衛】レッドソックス田沢純一投手(26)がレイズ戦に救援登板し、1回無安打無失点2奪三振と完璧に封じた。度胸満点のプレートさばきだった。初球からけれん味なく速球を投げ込み、打者3人を空振り三振、二ゴロ、空振り三振。「思い切り腕を振ってストライクを取りにいけてます」。9球の速球はすべて151~155キロで、超高速フォークは最速91マイル(約147キロ)を計測。8月31日以来、8試合連続無失点で、この8戦は7回2/31安打1四球14奪三振と驚異的だ。

 10年4月に右肘靱帯(じんたい)再建手術を受けて以来、地道にメジャー復帰を目指してきた。今年4月の昇格時は「メンタル面で問題があり」(田沢)、安定感を欠いた。だが、7月の再昇格時には、渡米した4年前の体重74キロから90キロまでパワーアップ。「(好投を)続けることで自信になってきました」。バレンタイン監督が「考えられないほど良くなった」と言えば、同僚の松坂も「今の純一ならWBCでクローザーができる」と評価するほど、投げるたびにたくましさを増した。

 社会人時代から「素材は一級品」と言われた快速右腕。WBCについて、田沢自身は「僕が決めることじゃないし、今は与えられた仕事をするだけです」と多くを語らない。だが、日米両球界でもトップ級の救援投手に成長したことに、疑う余地はない。