<ワールドシリーズ:レイズ4-2フィリーズ>◇第2戦◇23日(日本時間24日)◇トロピカーナフィールド

 ストレスと徒労感が残る試合だった。フィリーズ打線が、深刻な「タイムリー欠乏症」に陥った。初回に失策絡みで2点を先行され、常に追い掛ける展開。だが、あと1本が出ない。2回から7回まで6イニング連続で得点圏に走者を進めながら0行進。11残塁1併殺では、勝てるはずもなかった。「今年の中でもっともだらしない試合の1つかもしれない」。試合後、マニエル監督は自嘲(じちょう)気味に振り返った。

 先勝した前夜の第1戦にしても、実は11残塁を記録した。この2試合で、フ軍の得点圏打率は28打数1安打。その1本にしても内野安打で得点にはつながっていない。象徴的なのが、1番ロリンズの大不振。10打数無安打3三振と、まったく機能していない。「1勝1敗でホームに戻れるし、2敗したわけじゃない」。07年MVPでもある核弾頭は、淡々と事実を語るしかなかった。

 プラス材料は、熱狂的な応援で知られる本拠地でリセットできること。「走者がいると力み過ぎているように見える。特打ちをやることもあり得るよ」。マニエル監督が日本式のスランプ脱出法を口にするように、強力打線の復活なしに28年ぶりの世界一はない。