<ワールドシリーズ:フィリーズ5-4レイズ>◇第3戦◇25日(日本時間26日)◇シチズンズバンクパーク

 最後は右翼ゾブリストを二塁付近に配置。内野を5人にして満塁策まで繰り出した。だが三塁前への当たりが安打となり、サヨナラ負け。それでも岩村明憲内野手(29)は「あれはシーズン中もやってること。自分たちの策を尽くして、あとは向こうに運が転がった。それだけだと思います。明日は明日の風が吹くんじゃないですか」と気持ちを切り替えた。

 それ以前に打線全体が相手先発モイヤーをとらえ切れなかった。岩村もモイヤーを相手に3打数無安打1三振。「自分の力のなさを感じました。ひざくらいの高さに来ると(チェンジアップが)フォークのように落ちてきたり。ツーシームなのか、カットなのか微妙に動かしてもくる」と話した。

 ワールドシリーズ3試合で特に問題なのはクリーンアップの不振。3番ペーニャ、4番ロンゴリアがともに無安打。合計10三振を食らっては、得点力が上がるはずがなかった。それでも2人に気負いはない。シーズン中からナインのまとめ役になってきたペーニャは「モイヤーに変幻自在の投球をされた。こういう時は素直に脱帽するしかないんだよ。プロとしての姿勢を見せてくれる最高のお手本だと思う」と負けを認めた。

 岩村も「2人が打ってきたからこの立場にいることができる。彼らを責めることはできないし、今どん底なら上に登っていくだけ。自分を含めて一緒に盛り上げていきたい」。第4戦以降の3人のバットに注目だ。【千葉修宏】