<ワールドシリーズ:フィリーズ4-7ヤンキース>◇第4戦◇1日(日本時間2日)◇シチズンズバンクパーク

 ヤンキースの主砲アレックス・ロドリゲス内野手(34)が決勝打を放った。同点になった直後の9回2死一、三塁。フ軍リッジの91マイル(約146キロ)速球を左翼線への適時二塁打で決勝点をたたき出した。ポストシーズン15打点は11年ぶりの球団タイ記録。接戦に終止符を打ち、敵地を静かにさせた4番は「打てる球をしっかりたたくだけ。それはどんな打席でも変わらない」と言い切った。

 メジャー16年目で、初体験のワールドシリーズでは1、2戦で大ブレーキ。2試合連続3三振で計8打数無安打と、リーグ優勝決定戦までの活躍がうそのようにスランプに陥った。だがシリーズ初安打となる第3戦でのカメラ直撃本塁打で目覚め、そして決勝打。04年にヤンキース入団からは6年。自身初の世界一に自らのバットで王手をかけた。

 1回1死三塁では1球目に死球を受けた。第3戦でも2死球を受け、ワールドシリーズ史上2度目の1シリーズ3死球。死球攻めについては「コメントしたくない」と不機嫌な表情を見せたが、最後には「昨日1個目を受けたとき、これがワールドシリーズなんだぞ、と目を覚まされた気がしたよ」と笑った。キャンプ直前の薬物問題、開幕前の股(こ)関節手術など波乱続きの1年は、待ちわびた栄冠で幕を閉じようとしている。