<ワールドシリーズ:ヤンキース7-3フィリーズ>◇第6戦◇4日(日本時間5日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキース松井秀喜外野手(35)の父昌雄さん(67)がさえ子夫人(59)と一塁側ベンチ後方の2階席から歓喜の瞬間を見届けた。昌雄さんは「本当に長い間の悲願でしたから感慨深いですね。7年前、メジャーに来ることを決めた時から、ワールドシリーズで勝って、チャンピオンになることが最大のゴールでした。個人の成績よりチームの勝利が一番大切だと思っているはずですからね」と、自分のことのように喜んだ。

 相次ぐ故障に見舞われただけに、故郷・石川で見守る両親にとっても、心配は尽きなかった。「つらかっただろうし、落ち込むこともあったと思います。でも、実家に戻ってきても、一切、そんなそぶりは見せませんでした。どこでこんな我慢強さを身に付けたのか、私にも分からないぐらいです。本当によくここまで復活してくれたと思います」としみじみ言った。

 今季は、開幕直後にも日本の食材などを持って応援に駆け付けた。ヒザの状態も徐々に良くなり、最高の形で世界一をつかみ取った。「もし、ケガで出られなかった昨年に優勝しても、今年とは違う気持ちだったはずで、今年はある程度、チームに貢献できたと思えるでしょうし、うれしさも格別でしょう。今後のことは分かりませんが、野球人として最高の幸せを感じていると思います」。ヤンキースのジャケット姿で応援した昌雄さんは、わが子の大活躍に感激しきりだった。