広島緒方孝市監督(46)が2日、打撃改造に取り組む丸佳浩外野手(26)に直接指導した。悩める姿に、マツダスタジアムでの秋季練習中は静観していた指揮官が動いた。言葉を交わしながら修正点を指摘し、打撃再構築を目指す背中を押した。チームリーダーに期待するスラッガーの復活なくして、緒方広島の浮上はない。

 フリー打撃を終えケージから出てきた丸に、緒方監督が歩み寄った。熱いまなざしに身ぶり手ぶりが加わった。丸も真剣なまなざしで耳を傾ける。約20分、熱弁は続いた。

 緒方監督 変化するためには怖がってはいけない。思っていることに勇気を持って取り組んでいかないと。

 今季、シーズンを通して不振に陥った。最後まで調子を取り戻せず、打率は2割4分9厘。シーズン終了とともに打撃改造に着手した。左胸付近で構えていたグリップを左肩付近まで上げ、フィニッシュでは右足に体重を乗せるなど大幅なシフトチェンジに取り組んでいる。

 この日、秋季キャンプ初の紅白戦が行われた。9安打した白軍の中で、丸は2打数無安打。1四球の後、三振、二ゴロと打撃内容も悪かった。その後の打撃練習でも迷いが見られる姿に指揮官が声をかけた。「山ほど言った。でも本人が混乱しないように」と緒方監督。左かかと側に重心が残りすぎる悪癖改善を目的に、右足に乗せる意識を強めた。しかし、そのことで今度は投手側に上体が傾く傾向が出始めていた。丸も「僕はもともと(投手側へ)いってしまうタイプ。そのバランスが大事」と自覚する。

 新たな打撃スタイルは一朝一夕で確立できない。だからこそ悩みながら、初日から1035回バットを振った。今しかできないことがある。

 緒方監督は「今の時期はいろんなことにトライして、実戦の打席に立って分かることもある。そういう気づきの場になれば」と話す。就任した昨秋、直接丸をチームリーダーに指名した。今季は不振も、信頼は揺るがない。指揮官の熱い視線、言葉が悩める丸の背中を押した。

 丸 今はいろいろ試してみないと。試せるのはここしかない。春になったら試すとか言っていられなくなる。

 試行錯誤を続けながら、1歩1歩進んでいくしかない。【前原淳】