ソフトバンク長谷川勇也外野手(30)が本人もびっくりの長期契約を結んだ。18日、新たに年俸固定の3年契約を結び、現状維持の2億円プラス出来高払いでサインした。「僕としてはどれくらい下がるんだろうなと思っていたが、まったくかけはなれた評価だったので、びっくりしました。今年は1年間試合に出られませんでしたので」と笑うしかなかった。

 昨年痛めて手術した右足首の影響で、今季はわずか30試合、96打席。打率2割2分4厘、5本塁打、12打点で、大幅ダウンも覚悟していた。事前に球団から話をされ、心の準備をしていたはずだったが、会見でも笑顔が止まらなかった。

 「今年だけを見ると考えられない。来年FA権を取ることは知っていたが、1年前に残留してくれというのはうれしかった」。

 順調なら来年に初のFA権を取得する。三笠球団統括副本部長は「確実な打撃能力を持つ選手。FA取得前に複数年をオファーしました」と説明。右足首はまだ100%ではない。李大浩、松田の去就が不透明とはいえ、内川、柳田、中村晃、福田、上林と外野は激戦区。それでも球団はこれまでの実績を重視した。

 来季からは選手会長としてチームとのパイプ役にもなる。成績でも期待に応えるつもりで「200(本安打)は軽く超えるくらいのつもりでやっている。143試合出続けるように」。現在は西戸崎で、1月は沖縄・宮古島でしっかり打ち込む。レギュラーを奪い返すことが、球団への恩返しとなる。【石橋隆雄】

 ◆ソフトバンクの主な複数年契約 松中は03年オフ、チーム日本人初の複数年契約となる3年総額10億5000万円。06年1月には同年から7年契約を結んだ。07年にFA権を取得するのを見込み、09年までの4年間は固定年俸5億円プラス出来高、残り3年は年俸見直しだった。本多も14年のFA取得を見込み、13年オフに3年契約の固定制年俸1億8000万円で更改した。14年オフに獲得した松坂は3年契約で年俸4億円プラス出来高。今オフ復帰の和田は3年契約で総額12億円プラス出来高となった。