赤ヘル仕様のダイヤモンドだ!! 春季キャンプを終えた広島ナインが1日、マツダスタジアムで再始動した。粉雪が舞う本拠地はオフの間にマイナーチェンジ。芝が張り替えられ、土も硬式のものに入れ替えられた。機動力を生かし、守り勝つ-。カープ野球を存分に披露する舞台が整い、地の利を生かしていく。

 全体練習前、グラウンドに足を踏み入れた首脳陣の視線は選手ではなく、地面に落ちた。緒方監督も真っ先に一塁ベース付近へ歩を進め、足で土や芝の感触を確かめながら約10分間、グラウンドキーパーと意見交換した。「土が少し変わって守りの感覚も変わると思う。とにかく外で打球を受けて、ホームグラウンドなので、しっかり練習して慣れていくしかない」。本拠地マツダスタジアムが生まれ変わった。

 昨年11月末から09年開場以来初のグラウンドの全面改修工事に取り掛かった。この日キャンプ後初の全体練習でお披露目。青々とした芝が生えそろっただけでなく、赤みが増した土が入れ替えられていた。芝の全面張り替えを機に土質の一新に踏み切った。

 以前から土質について選手側から声が上がっていた。「走路を硬くしてほしい」「雨が降ってもぐちゃぐちゃにならない方がいい」などさまざま。ただ、マツダスタジアムは天候の影響を大きく受ける屋外球場。しかも天然芝を使用する。既製の土も、他球団の球場の土も適さない。広島には広島に適した土がある。困難を極めた。

 ただ硬くしても、芝の上とバウンドが大きく変わりプレーに影響する。水はけも良くない。黒土と赤土、石灰などのベストな配合は何か-。1年をかけた。昨季グラウンドキーパーは経験を踏まえながら、ファウルゾーンの一部で配合を変えながら4度試した。施設運営部の菊池さんは胸を張る。「試合で使いながら見ていかないといけないけれど、今の割合が一番だと思う」。硬く、水はけもいい。選手が求める球場に大きく近づいた。

 開幕まで残り4週間。新生マツダスタジアムを知りつくし、地の利を生かす。25年ぶり悲願達成を目指す舞台は整った。【前原淳】