広島が連勝男の力投で着実に白星をゲットした。先発した野村祐輔投手(27)が6回6安打1失点で、阪神戦では3年ぶりの白星をゲット。自身8連勝で、自己最多に並ぶ12勝目を挙げた。5月25日から8戦8勝の白星ラッシュだ。今日23日には黒田博樹投手(41)が日米200勝をかけ先発する。さあ、さらに加速し、25年ぶりの優勝へGOだ。

 広島野村の投球からは貫禄すら漂っていた。絶好調ではなかったが、スライダー、カーブ、チェンジアップ、シュートを丁寧に配球。1つ1つを置くように、ゼロを並べた。6回6安打1失点で自己最多タイの12勝目。自身8戦8勝で「本当にうれしい。最少失点で粘れてよかったです」と笑った。

 球宴前から腰に張りがあった。それでも中2日で球宴初戦に登板。全セのベンチでは同学年の巨人菅野に「俺は毎年中1日で球宴だから」と笑って突っ込まれた。「同学年で活躍している選手がたくさんいる。負けてられないと思います」。それから中6日。はり治療を含めて最善を尽くし「影響はゼロじゃないですけど、自分のベストを尽くした」と結果を出した。

 白星でバトンを今日23日先発の黒田に渡した。チームは07年以来9年ぶりの阪神戦8連勝。大先輩の日米通算200勝へ、流れを作った。野村は「僕は特等席にいるんです」と笑う。登板翌日はスケジュールに余裕もある。じっくりと黒田の達成を見ることが出来る。ローテの順番が作り出した“特等席”で、偉業を目に焼き付ける。

 今日23日を記念の日としたい。緒方監督も野村の好投を「今日は祐輔でしょう。体調面を含めいろいろあるなかで、よく投げてくれた」と称賛した。

 貯金は今季最多タイの21。広島が止まる気配はない。ハーラートップの右腕は「次もしっかり準備したい」と次戦を見据えた。【池本泰尚】

 ▼野村が8連勝で12勝目。野村は5月25日巨人戦から登板した試合にオール白星の8連勝。広島で勝敗なしを挟まない「8戦8勝」は82年5~6月北別府以来、34年ぶり。7月中に12勝は13年田中(楽天=14勝)以来となり、広島では8戦8勝を記録した82年北別府(14勝)以来。最終的に田中は24勝、北別府は20勝したが、今年の野村は何勝できるか。